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カルトナージュと製図


長くカルトナージュ作品を作っていると突き当たる「製図」の壁。

自分のオリジナルの作品を作りたいのになかなか思うようにいかず、「製図をきちんと学びたい」と強く思う時期が誰にもあるようです。

私もそういう時期がありましたし、今でも製図が大切なものと考えていることに変わりはありません。

でも今は様々な「形」の製図方法をきちんと理解し身に付けることは作品作りの一部でしかないと思うようになりました。




アトリエカルトナージュでもこれまで多くの形やデザイン、製図方法を学びました。

学んだことを応用して自分の作品作りに生かしたこともたくさんありました。








アトリエカルトナージュでも学んだ「花かご」

一つの課題を学ぶときはその作品の製図方法をきちんと理解しサイズを変えて応用できるようにならないと学んだ意味がないと考えていましたが、ただサイズを変えればうまくいくものではないということも多く経験しました。

試行錯誤を繰り返しているうちに美しいサイズの比率に辿り着きやがてその形を自在にデザインに取り入れることができるようになった時の喜びはひとしおです。

自分の頭と体を使わずに手にする「進歩」はないと実感する時でした。













アトリエカルトナージュ課題作品「シノワズリー」

今まで学んだ課題の中には複雑な構造のものも多くありました。

少しでも手を抜くと形として成立しないものがあったり。

製図も大変な作業ですがそれをカルトナージュのテクニックで形にするのも本当に大変なことだと思います。







ビジャー先生デザインの「六角形二段の箱」

複雑なデザインの作品を見て、これはどのような構造になっていてどのような製作手順で作るのか、ということを推理するのがとても好きです。

この作品も驚くような製作方法でした。











ハーフドールの小物入れ

この作品は昨年私が作品展に出品した作品の一部ですが、ビジャー先生に教えて頂いた半球体の製図を応用しています。

学んだ形を自分の作品のデザインに生かすことができる楽しさを感じました。

複雑な形の作品を作ること自体が目的ではなく自分の作りたい作品にぴったりとはまる形。

作品の構造、デザイン、使う素材、それを形にするテクニック・・カルトナージュ作品は様々な要素から成る奥の深いものだと感じるようになりました。







今でも様々な構造の作品を試作したり、講師仲間で製図の勉強会を開いたりしていますが、

様々な「形」を作ることが出来ることと素晴らしいカルトナージュ作品を作り出すことはまた違うことです。

「自分には新しい作品を作り出す力がない、製図を学んだらこの現状を打開できるかも知れない」と考えていた自分が少しでも進歩することが出来たのだとしたら、それは自分の現状を変えたくて「一歩」を踏み出したからだと思います。

良き指導者は世の中に沢山おられるとは思いますが、あれこれ悩んでもがきながら「自分を変えることができるのは最終的には自分しかない」とうことを学びました。

「カルトナージュが好き」という変わらぬ気持ちを胸にこれからも日々精進していきたいと思います。























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