先日もお知らせさせて頂きましたが私が作品を出品する作品展がいよいよ一週間後の12月1日から開催されます。
多分野の手工芸作品が展示されますが私はビジャー香代子先生の「カルトナージュ」グループで出品致します。
「21世紀アートボーダレス展2022 煌星 KIRABOSHI」
於:東京・六本木 国立新美術館展示室1A、1B
会期:12月1日(木)~10日(土) 10時~18時(入場17時30分迄)
*12月6日は休館日
今回の私の作品のタイトルは「錦 NISHIKI」。
「NISHIKI」と横文字を付け加えたのは作品に使った生地に関係があります。
西洋の「錦」と言える「ブロケード」・・フランスのリヨンでナポレオン三世時代の19世紀中~後期に織られた絹織物を使っております。
時々お邪魔するアンティークショップはフランスの古い生地類も扱っているのですが、数年前に今回使ったブロケードに出会い、その美しさに私は一目で魅了されました。
黑い繻子のような光沢のある地に闇に浮かび上がるようにマーガレットの花々が緻密に写実的に織られているそれは美しい絹織物です。
もともとは壁にシンメトリに飾るパネル用に織られたもののようで、細長い織物が2枚対になっていました。
その時は只々その美しさに惹かれるだけで、畏れ多くて毛頭これで作品を作ろうとは思いませんでした。
その美しさがずっと心に掛かってはいたのですが、きっとそのうち誰かの目に留まって売れてしまうだろうと思っていたところ、今回作品展用の作品のイメージを探して彷徨(?)していた時に立ち寄った折にまだお店に眠っておりました。
もう少し前の私ならまずこれで作品を作ろうとは思わなかったと思いますが、ここ数年の間に私は和の趣味に傾倒するようになったりして自身の中の心象風景が変わってしまったこともあり、今回は「この絹織物で作品を作りたい」と前向きに思うようになっていました。
所謂「和風」な作品に志向が変わったわけではなく・・言葉ではうまく説明できないのですが、しかし確実に何かを「美しい」と感じるアンテナは変化したように感じます。
いつもなら、作品のデザインが完了してから生地選びを始めるのですが、今回はまず「生地ありき」のスタートでした。
古い貴重な織物で分量も限られていて代替がきかないため、作品製作に当たっては非常に緊張しました。
ジェットコースターのように心理状態もアップダウンを繰り返し心身ともに消耗しましたが、何とか完成をみて安堵しております。
この美しき絹織物がどんな作品になったかは会場でご覧頂きたいと思います。
師走の何かとお忙しい時期ではございますが会場に足をお運び頂ければ幸いに存じます。
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